昨日のこだわり今日のしあわせ

製品やサービスへの独自のこだわり、日常生活での素朴な疑問や、非日常の旅行経験などを勝手気ままに紹介していく自己満足完結型雑記ブログです。

新潟県燕三条の『工場の祭典2019』へ行ってきた!

2017年に初めて行った『燕三条 工場の祭典』。2019年10月3日(木)~6日(日)までの4日間、地元に根付く産業である金属加工をはじめ、鍛冶や木工などの技術が集まる新潟県燕三条と、その周辺地域で開催されるイベントに今年も足を運んできた。

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ピンクと白の斜めストライプがシンボル

多くの人にとって、企業の工場などに入れる機会は皆無なので、ものづくりが好きな人にとっては現場に入って体験することが出来る垂涎もののイベントなのだ。普段は一般公開されていないKOUBAの見学や体験を通じて、製品を産み出すKOUBA(工場)や、農業に取り組むKOUBA(耕場)への理解や興味深めることが出来る。また、地元の産品に触れたり購入できるKOUBA(購場)としての役割も果たし、外部に向けて『総合的な燕三条のPR』を実現している。全国的な告知や来場者の規模はまだ少ないが、かつて技術大国と言われた日本のものづくりへのこだわりや、高い技術力を体感することが出来、自分も、ものづくり産業に携わる一人として毎年楽しみにしている。

 

イベント趣旨からは男子に人気がありそうなイベントに感じるが、実は参加者は女子の方が多いことに気づく。関東からわざわざ足を運ぶ娘たちも多く、友達や女子会の延長ような形で参加している模様。今やものづくりはアートと融合し、デザイン系やクリエイティブな業種からも注目を受けている。

 

今年は前日入りして二日間での計画をしていたものの、仕事の都合で土曜日の日帰りへ変更して、当日の朝新幹線で現地入りすることとした。イベント会場は燕と三条の『街全体』であるため、行きたいところを回るには何らかの足が必要になる。前回はタクシーで回ったが、いちいち呼ぶのが面倒なので今回はレンタカーを手配。

 

まず訪れたのが『庖丁工房タダフサ』。庖丁を作るメーカーで一流シェフなどにも愛用されている。パン切り包丁が有名。

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『包丁工房タダフサ』

ここでは持参した包丁の『研ぎ直し』のワークショップを体験することが出来る。費用は¥1000で、事前予約が無くても空きがあれば入れてもらえる。自宅のボロボロに歯が欠けた包丁を持参していたので受付で聞くと、タイミングよく入れてもらうことが出来た。

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包丁研ぎ教室

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外国のお客さんも参加

実は前回このワークショップに参加して、砥石を二つほど買って帰ったのだが、自宅でトライするもなかなかうまくいかず、砥石だけが減る結果となってしまった。せっかくなのでもう一度やり直そうと飛び込んだわけだが、あまりに歯がボロボロの包丁だったため、研ぐ前にまずは機械で歯を粗削りして整えてもらった。その後手で表、裏と研いでいくのだが、これがなかなか身につかない。理論はわかっていてもうまく角度が固定できのだ。たかだか数十分のワークショップで身につくはずもなく、とにかく理論とプロセスだけ持ち帰って自宅で復習することにした。先生が9割がた研いでくれたせいもあり、ボロボロだった包丁は見事に切れ味が復活!

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様々な形の包丁たち

工場見学もほどほどに次の会場へ。ちょうどお昼だったので、ほとんどの工場はお昼休みで午後は13時から。このため、通しで開いている『産地の祭典』へ行ってみることにした。

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『産地の祭典』の会場 三条ものづくり学校

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『産地の祭典』のメイン会場

三条ものづくり学校が会場で、全国の産地が集まる展示会やマーケットイベントとして『燕三条 工場の祭典』のコンテンツの一つとして今年で3回目の開催との事。各産地の展示、産品の販売、ワークショップなどが催され各地のものづくりに触れることが出来る。ここでは『ヒンメリ』作りや『タイルのコースター』などの製作体験が出来る。

産地の祭典2019 – 三条ものづくり学校

 

次に訪れたのは『永塚製作所』という家庭用農具のメーカー。園芸用スコップの製作過程を見学しに来た。

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『永塚製作所』

担当の人が工場の中を工程ごとに説明してくれ、スコップがどのようなプロセスで完成するかを丁寧に説明してくれた。板材から撃ち抜かれた形を4~5回のプレス成型機で成型し塗装を施して完成に至る。

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一列に並んだプレス成型機

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スコップの製造プロセスのサンプル

自分んが子供のころからある懐かしいスコップも強度改善や新色の提案がされていて、地味に進化しているなと感じた。ここでは自分のお土産に、キャンプ用の炭用トングと炭スコップを合わせて500円で購入。

 

次に、今回一番行ってみたかった『E&E』という眼鏡工房。ここは眼鏡のフレームづくりから組み立てまで全工程を自社で一貫生産でき、多品種小ロットで生産できるのが売りの眼鏡屋さん。

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『E&E』

国内よりも海外への輸出が多く、特にアメリカなどで高く評価されている。『SAY-OH』というブランドで展開されており、東京でも銀座の『めがね工房カムロ』などで扱っているそう。本当はここでフレームづくりのワークショップに参加したかったのだが、早々に枠がいっぱいになってしまい打ち切ったとの事。

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NC切削機でフレームの削り出し

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現行品だけでも80種類以上あるデザイン

眼鏡づくりのプロセスの説明を受け、1枚のアクリル板から眼鏡が出来上がるまでを丁寧に説明してもらいとても興味深い工場見学となった。次回機会があれば是非ワークショップでオリジナルの眼鏡を作ってみたい。

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アウトドア向けの木工製品も手掛けるE&E社

今回は3カ所の工場を見学して、目的だった眼鏡工場見学と包丁の研ぎ直しを達成できたので、帰ったら早速復習してみたい。『工場の祭典』は年に1度の4日間のイベントだが、フィールドも参画企業も多く運営側は相当大変だと思う。しかしながら『技術の継承』や『アートとの融合』をどんどん訴求してもらって、新しいコラボレーションや産業への発展を期待したい。

 

kouba-fes.jp