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映画『たちあがる女』 劇場公開日 2019年3月9日

 

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たまたま見る機会があったので感想を少し。


■解説

長編デビュー作「馬々と人間たち」で注目を集めたアイスランドのベネディクト・エルリングソンが監督・脚本を手がけ、合唱団講師と環境活動家という2つの顔を持つ女性が養子を迎え入れる決意をしたことから巻き起こる騒動を、ユーモラスかつ皮肉たっぷりに描いたヒューマンドラマ。
風光明媚なアイスランドの田舎町。セミプロ合唱団の講師ハットラには、謎の環境活動家「山女」というもう1つの顔があり、地元のアルミニウム工場に対して孤独な闘いを繰り広げていた。
そんな彼女のもとに、長年の願いであった養子を迎える申請がついに受け入れられたとの知らせが届く。ハットラは母親になる夢を実現させるため、アルミニウム工場との決着をつけようと最終決戦の準備に取り掛かるが……。2018年カンヌ国際映画祭の批評家週間でSACD賞を受賞。</p


■感想

主人公の環境保護に対するちょっと行き過ぎた活動と、まるで対象的な子供を愛する母親の顔が共存する二重人格者のような様に違和感を感じるが、話がすすむに連れてその2つの思いが『平和で持続性のある未来』につながっていることが分かる。
養子を取れる事が決まり、子供たちの為に環境の良い明るい未来を残そうという思いが一層強くなった結果、影の抗議活動がエスカレートしてついに逮捕されてしまう。
逃亡中にカモフラージュのために腐った羊の死体を被るシーンなどからも半分自分を見失っているのではと感じるが、子供を持てる喜びには代えられなかったのだろうか。
周囲の助けなどもあり最終的には養子を受け入れる事ができるが、その裏で痛みを伴っている人達がいる事も事実であり、皆が幸せになるために必要なバランスとは一体どこにあるのかと言うことを考えさせられる。
主人公の突飛な行動や、起こした事件の重大さに対比して、サバサバとした性格やそれに巻き込まれる周囲の人たちがコミカルに描かれており、重いテーマに対してシリアスになり過ぎない演出がされている。
実在しない楽隊やコーラス隊が画面内に度々登場し、主人公の心情を音楽とリズムで表現する演出も新鮮で見どころの一つ。


原題 Woman at war
製作年 2018年
製作国 アイスランド・フランス・ウクライナ合作
配給 トランスフォーマー
上映時間 101分
映倫区分 G

スタッフ
監督:ベネディクト・エルリングソン
脚本:ベネディクト・エルリングソン
撮影:ベルグステイン・ビョルゴルフソン

キャスト
ハルドラ・ゲイルハルズデッティルハットラ/アウサ
ヨハン・シグルズアルソン
ヨルンドゥル・ラグナルソン
マルガリータヒルスカ