2019.11ネパール訪問日記 〜火葬の煙が漂う『パシュパティナート』見学(前編)〜
恐怖のノーヘルバイクで裏道を走ること約10分。
無事に目的地付近のバイク置場(路駐スポット)に到着できた。
そこから5分ほど歩くと今日の二つ目の目的地、世界遺産『パシュパティナート』へ到着。
ネパール最大のヒンドゥー寺院で、インド4大シヴァ寺院の一つでもある。
聖なる河ガンガーの支流であるバグマティ川の川岸にあり
カトマンズのトリブヴァン国際空港からも2km弱と意外なほど近い。
シヴァの化身の一つである金の角を持つ鹿、パシュパティがその名の由来。
西側のゲートから入ってネパリ以外はRs1000の入場料を払って火葬場のエリアへ入る。
『パシュパティナート寺院』を左手に歩いていくと川に橋が架かっているのが見える。
その川のほとりが火葬場になっていて、この日も煙がもくもくと上がって儀式が執り行われていた。
「あんなに弱い炎で本当に遺体が完全に灰になるのかな」
という素朴な疑問を持ちながらぼんやりと眺めていた。
ねずみ色の煙が立ち上って観光客の中にはマスクをしている人たちも結構いる。
日本の火葬場は高い煙突があるので遺体が燃えた煙を意識することはあんまりないが
ここでは同じ高さにその煙が漂ってくるので抵抗ある人は結構多いと思う。
川はガンガーと比較にならないほど川幅が狭く、神聖とはいえお世辞にもきれいとは言えない。
日本人としてはさすがに沐浴は勘弁という状態。
これから火葬されるというオレンジ色の布に包まれた遺体が川のほとりに運ばれて
その周りに大勢の人たちが集まっていた。
遺体を清めるためか、何人かで交代しながら川の水を遺体の足あたりに掛けていた。
こういう場所に来ると単に興味本位や観光地の一部として来ている人たちでも
普段意識しない『生と死』について考えさせられたり
『人間も自然の一部にすぎない』という事実を突きつけられる。
国や宗教によっていろいろな葬儀や埋葬方法があるが
共通していることはそれぞれのしきたりや信仰に沿って
送る人達が故人を想って粛々と行う儀式であるという事だ。
この世からその人の存在が消えて無くなってしまう最後のお別れをする瞬間なので
それは当然感慨深いものになる。
そんな風景を遠くから眺めつつ、あれだけ多くの人に見送ってもらえる故人は
とても幸せな人生だったんだなと勝手に想像して
自分が死ぬ時もそんなだったらいいなとちょっとだけうらやましく思えた。
観光客はこのあたりを見学して帰る人多いとの事だったが
せっかく来たので彼と一緒に山の上の方まで上がってみた。
橋を渡った正面の坂を進むとサドゥーが複数現れた。
この先にもいくつか寺院があるようなので行ってみることにした。
つづく